イ　子どもの均等割への配慮

　国・東京都の考えでは、子どもに係る均等割を、一律に減免することは、法の根拠が無く、違法性があると指摘している。

　そこで、当市において、税の賦課方式を、４方式から、２方式に変更する過程において、多世帯にとって、急激な負担増となるため、地方税法第717条の規定を根拠に、特別な事情（子どもは、収入が無いのが前提のため）と位置付けて、時限的に、子どもの均等割に関して、一定の世帯所得以下の場合に、申請をさせずに、算出税額決定後、職権により、減額することは、違法性があるか否か。に関して、照会をしたところ、

　地方税法第717条の規定の趣旨は、申請に基づき、世帯ごとの個別の事情を勘案した上で、減免するか否かを決める必要があることから、「一定の所得」のみを基準にして、かつ、「申請をさせないで」減免することは、法の趣旨に反する。

　では、「申請させて」、「一定の所得のみ」の基準（資産等を勘案しない）で、減免をした場合は、どうか。

　国の見解では、その点に関して、法に反するとまでは触れていないが、減免の趣旨は、「個別の事情を勘案して、審査をする」ことが前提であるとしている。

　市としては、「５年間」時限的に、一定の所得（法定軽減世帯所得で300万円）以下の世帯の、２子目以降の子どもの均等割を、「５割」（最大で５割の意で、法定軽減が７割・５割の世帯は適用されない）減免する措置を取りたい。（未申告は対象外）

　当市で想定している方式とは異なるが、都内２市で実施されている軽減内容は、

　A市…２子目＝５割、３子目以降＝９割（時限的で、規定上は「２年間」）

　B市…３子目以降＝無料（時限的で、規定上は「当分の間」）

　清瀬市（案）…２子目以降＝５割（所得制限あり。時限的で、規定上は「５年間」）

　「５年間」とする理由は、資産要件を判断しない前提であることから、「生活困窮者」としての位置付けは困難であると考える。とすると、地方税法上の「特別な事情」を適用させ、その理由を、賦課方式が４方式から２方式に変わることから、主に現行の法定軽減の適用範囲を受けない、あるいは２割軽減となっている世帯所得100万円から300万円以下の世帯に急激な負担が生じてしまうこととし、経過措置的な位置付けをしていく。

（１）改定内容

�@２年間で、課税限度額を法定の１２万円増額（H３０＝８万円、H３１＝４万）

　また、今後の改正方針として、この課税限度額に関しては、法改正により、３月において条例を専決処分し、事後的に、本運営協議会に諮問していきたい。

�A賦課方式を、４方式から２方式へ

�B応益割合は、概ね43％〜44％　まで下げる。

（これ以上、極端に応益割合を下げてしまうと、所得割率が上がるため、200万円から300万円の世帯に、その分、負担が大きくなってしまう）

�C基礎課税分から、後期高齢者支援金分への財源移譲（財源の適正な確保という財政運営面と、課税限度額の効果の適正化の両面から）

�D上記�@から�Cまでの税率等改定により、２年間で、概ね1.5％増。初年度が1.2％、２年度目以降が1.5％増。【要条例改正】

（内訳は、税率で0.2％、課税限度額で1.15％、税源移譲での限度額効果で0.15％）

�E申請減免として、法定軽減世帯所得300万円以下の世帯の子どもの均等割を、第２子から５割減額（適用期限は、５年間）。申請方式。対象者には、市役所から通知する。ただし、税の未申告者が世帯内にいて、国保税の軽減判定が保留（世帯所得が不明のため）の世帯は、対象外とする（これは、申請減免の審査にあたり、所得が不明にもかかわらず減免すること自体、法の趣旨に反するからである）。【条例及び訓令が、要改正】

　財源は、上記�Dに寄る財政効果のうち、H３０年度見込みで概ね306万円。

�F期割を、1,000円未満から、100円未満へ改正【要条例改正】